ネットスーパーとか、生協とかって、自宅に生鮮品を届けてくれます。
しかもネットスーパーの使い方は「今日はネットスーパーにしよう」みたいに単発な利用ではなく、定期的に運んでくれる生協のような「日常的に使う」というのが一般的なのではと思います。

提供する側(スーパーや生協)からすれば、定期的な顧客接点を持っている事になります。

その顧客接点を上手く利用して、家庭系廃食用油の回収を始めたのがイトーヨーカドーです。

家庭系廃食用油の回収拠点をイトーヨーカドーの東京都内全店舗に拡大

まず家庭系廃食用油は何かというと、家庭で唐揚げしたり、てんぷらしたりする時に使った油です。
その油を回収するというものです。

では、なぜ廃食用油を回収するかというと、飛行機の燃料に使えるからです。飛行機は、化石燃料由来の燃料を使っているので、地球環境に負荷をかけています。

この飛行機の燃料を化石燃料由来でないものを燃料に出来ないか・・・という事で代替燃料として使われるのが廃食用油です。
これをSAFは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称でサフと呼びます。

このケースで面白いなぁと思ったのが、他にもいろいろ回収できるよね、という点です。例えば、「要らなくなった服」を回収してもいいわけです。

イトーヨーカドーのようなショッピングモールは、モールでいろいろな回収をしていると思います。それは、ショッピング行くついでに、リサイクルできるものを渡すという流れになります。

これが成立しているという事は、ネットスーパーでも同じ事が出来るわけです。食品を配達してもらうついでに回収してもらう・・・

輸送コスト(経済的にも、カーボンフットプリント的にも)は、回収しようがしまいが、同じなので、上手く活用してもらえるといいなと思います。

またリサイクル品だと、なかなかマネタイズになりにくいところがありますが、家庭系廃食用油のように、どこかが買い取ってくれるものは、生活者がゴミとして廃棄する前に回収できるようにすれば、資源循環は進む事になります。

家庭系廃食用油も取りに来てくれなかったら、持っていくのが面倒なので捨てちゃうのだと思います。でも、取りに来てくれるなら、渡す。

この「取りに来てくれるなら」を上手く活用すると新しいビジネス、新しいサステナビリティ活動が生まれると思います。

投稿者プロフィール

菱木 信介
菱木 信介
外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。