フードロスと食品ロスってFood LossとFood Wasteと訳されて、別ものと扱われます。しかし、今回は言葉はフードロスとして、意味合いベースでお伝えしたいと思います。
フードロスって、大きく2つに分かれます。
① 食材を加工中に出てしまう食べられない部分(もしくは美味しく食べられない部分)
② 人間の不注意等により、食べられるのに捨てざるを得ない食べ物(作りすぎ、賞味期限切れ、買い過ぎて腐らせる、食べ残し等)
②は基本的に人間が「過剰」に作ったり、「過剰」に仕入れたり、「「過剰」に注文したり、「過剰」に盛り付けたりしなければ、回避できます。
次に①ですが、これが結構難しい。
「食べようと思ったら、食べられるけど、普通食べないよね」って部分です。
たとえば、玉ねぎ。
内側の部分は柔らかくて美味しいですが、外側にいくにつれて硬くなってきて味気がなくなってきます。
その微妙な部分だったり、それより外側のさすがに食品として加工できない部分をどうするか。
捨ててしまうのか、何かに活用するのか。
これを解決する技術を持っているのがASTRA FOOD PLANです。
ASTRA FOOD PLANは、この「さすがに食品として無理だろう」の部分を食品に変える技術を持っています。過熱蒸煎機という機械で、高温で乾燥させて粉末にしてしまうという技術です。
実際にASTRA FOOD PLANは、吉野家で出る玉ねぎの「さすがに食べられない部分」を過熱蒸煎機にかけてたまねぎの粉末を作っています。
ちなみにその粉末は「ぐるりこ」というブランドで売っています。
これはクラファンの内容です。
技術革新が必要なので、積極的に狙っていこう!という領域にならないですが、一方で「誰も手を付けていない領域」の課題にどう向き合うか・・・を追求すると、新しい技術が生み出される・・・という事例です。
少なくとも10年も前であれば、たまねぎの「さすがに食べられない部分」が「もったいない!」と思う人はゼロだったと思います。でも、時代は移り変わり、人の感度と意識がシフトしました。その結果、課題を観る範囲もシフトし、その結果生まれたソリューションと言っても過言でないと思います。
そういう意味で「今だからこそ生まれる何か」というものはもっともっと潜んでいるんだと思います。
そんな事を思わせる事例でした。
P.S.
ちなみにASTRA FOOD PLANの代表の加納さんのインタビューをしています。彼女の人となりが分かるので、是非読んでみてください。
投稿者プロフィール
- 外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。
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