Uber Eatsが日本に上陸したのは2016年9月29日らしいです。

それ以前は・・・というかもっともっと昔の昭和の話。
出前と言えば、そば屋。
そして、そば屋と言えば、岡持ち。
(もしかしたら若い世代は、岡持ちを知らないかな・・・)

お店にある器と同じやつにそばを入れ、その器にラップをかけて、岡持ちに入れ、家まで配達する。食べ終わったら、食器は玄関の前に置いておいて、適当なタイミングでそば屋さんが取りに行く。

昔の出前はサーキュラーエコノミーだったんですよね。

でも、世の中が「使い捨て」を許容し始めたので、今や使い捨てを正としたビジネスモデルがOKとされてきました。その一つがUber Eatsだなと思います。と言っても、Uber Eatsをやり玉に挙げたいわけではなく、積極的にリユーザブル容器を使おうとしているので取り上げています。

ちなみに「使い捨てコンタクト」が日本で初めて発売したのが1991年との事です。私の感覚では、「使い捨て」の走りはコンタクトレンズだった気もします。(このあたりが「使い捨て」が許容されていったのかな・・・)

さて、本題のUber Eatsは、「2030 年までに世界中の Uber Eats 上で配達される全ての注文において、使い捨てプラスチックの容器包装を Uber Eats が定めるより持続可能な容器包装に転換する目標を立てています。」との事です。

全てがリユーザブル容器に変わるわけでないですが、積極的にサステナビリティにシフトしようとしています。

リユーザブル容器については、ロスアンゼルス・サンフランシスコで拡大中です。

Rethink Takeout: Expanding reusable packaging on Uber Eats | Uber Newsroom

Today we’re proud to share that we’ve expanded that partnership to the West Coast, inclusive of more than 130 restaurants with a current focus on the

リユーザブル容器なので「返却する」というプロセスが入りますが、それは次の2つの方法で実現します。
(ちなみにちゃんと返却して欲しいので、デポジットを支払う必要があります。返却したら返金されます)

① 提携しているレストランに持っていく
② 配達業者に取りに来てもらう

Uber Eatsの専用のリユーザブル容器なので、どのレストランに返しても問題ないわけです。昭和の出前であれば、使った食器は注文したお店に返さないといけないですが、そうでなくてよいのがいいですね。

私がこの取り組みで良いなと思ったのが、

 「顧客接点がとてつもなく大きい企業が積極的にサステナビリティを生活者を巻き込みながら推進している

ところです。

自治体主題で同じような事をやっても、なかなかリユーザブル容器を使っていこう!にならないと思います。
というかそもそも認識すらされないと思います。

でも、目の前のよく利用するUber Eatsがそれを積極的にやっているという事で、しっかりと「認識される」というのがまず大事ですし、さらにうまい仕組みをUber Eatsが構築すれば、実際に行動に移っていくのだと思います。

そして、Uber Eatsが伝えたメッセージは、Uber Eats以外のところでもやるようになる可能性もあります。例えば、お店でお弁当を買うときは、リユーザブル容器を使っているところ利用するようになる・・・とか。

企業の力で世の中をシフトさせる事が出来る良い事例だなと思います。
まだまだ課題は沢山あると思いますが、応援したいなと思っています。

投稿者プロフィール

菱木 信介
菱木 信介
外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。