現状、企業活動をしていると「廃棄する」モノが必ず出現します。

企業のごみは、家庭のごみと違って、集積所に持っていけば持って行ってくれるわけでなく基本的には「自治体に自分で持ち込む」か「処理業者」に依頼する必要があります。

日々の事業活動のごみをいちいち自分の社員を動員して自治体に運ぶくらいなら、処理業者に頼む方が良いという事で、処理業者に頼むという事は基本的にコストがかかります

そもそも
お金を払って手に入れて
捨てる時にまたお金がかかる
しかもゴミになる

冷静に考えると、なんて無駄な事をしているんだろう・・・って感じですね。

捨てる時にかかる廃棄手数料は、ゴミに比例して発生します。
なので、ゴミが減れば、想定していた廃棄手数料分が浮くわけです。

ここの廃棄手数料を上手くビジネスモデルに取り込んだ企業がStockBaseというスタートアップです。

StockBase

賞味期限前の備蓄食。「寄付したい」と「ほしい」をマッチングします。寄付のためのコストを最低限に抑えます。 廃棄を無くし、循環型社会を実現するStockBaseの公式HPで…

StockBaseは、企業の賞味期限切れの備蓄品(食料)を、食料を必要として人達とマッチングするサービスをしています。食料を必要として人達を支援するNPOが必要な数を提示し、そのぴったりの数だけを企業から送るという仕組みです。

この「ぴったり」というのが重要で、これまで似たような取引があったとしても過剰に送られてきて、結局NPO側で捨てる羽目になるという事が起きていました。

さて、このような仕組みによって、捨てられるはずの備蓄品が救済されます。この時企業にとって2つの良いことが起きます。

1つは、捨てられるはずだった備蓄品がゴミにならず(無駄にならず)に済む事。もう1つは、ゴミであればかかるはずだった廃棄手数料が浮いた事です。

でも、もちろんマッチングサービスを利用しているわけなので、手数料を払う必要があります。これが廃棄手数料と同じ金額だったらどうでしょうか。

廃棄手数料を払ったとしても、「捨てられるはずだった備蓄品がゴミにならず(無駄にならず)に済むこと。」が残ります。

つまり企業からしたら、金銭的な支出は同じだけど、これを利用した事により「良いことができた」という事を得る事ができます。

このようにゴミをゴミで無いようにすれば、ゴミの時に発生していた廃棄手数料をいただく事も可能なわけです。

さらにゴミをゴミで無くすという事は、企業にとっても地球にとっても良い行為であるため、率先して利用したくなるはず。

こんな「廃棄手数料を売り上げに変える」という観点で、地球に優しいビジネスを構築するのも一考です。

<StockBaseの代表の関さんの熱い思いはこちらのインタビューにて>

大学3年次の授業をきっかけに、企業の災害備蓄食を有効活用する循環型プラットフォームで起業!|関 芳実

SDGsは今や多くの企業にとって取り組んでいくべき重要目標だ。しかし、サステナブルな取り組みをしたくとも、簡単には踏み切れない企業が多いのが現実だろう。株式会社Sto…

 

投稿者プロフィール

菱木 信介
菱木 信介
外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。