ここ20年くらいの間にいろいろな紙が電子化されました。
例えば会議資料はほとんどがディスプレイに投影して説明するようになりました。
手帳やカレンダーもそうです。スケジュール管理ツールに変わっていきました。
モノをデジタル化してモノ自体を作らないという行為は
サーキュラーエコノミー的にには一番目指したい状態です。
でもなぜか、なかなか紙から脱する事の出来ない紙媒体があります。
それは「名刺」です。
結構昔から仕組み(名刺管理アプリ等での名刺交換)はありますが、全然浸透しないですね。
それはなぜでしょうか。
それは紙をデジタル化しただけで、DXではないからです。
新しい顧客提供価値が生まれていないので、使われないんですね。
そんなDXをしたデジタル名刺があります。
それは「プレーリーカード」です。スタジオプレーリーという企業のサービスです。
プレーリーカードは、こんなサービスです。
- NFCカードをスマホで読み取る事で、名刺の情報を相手に渡す事ができます。
(SUICAのカードが名刺と思ってください) - 登録情報は、一般的な名刺で使う情報(氏名、役職、企業名等)ではなく、自由にプロフィールを作成が可能です。
Facebookリンクや自分の載っている記事等のリンクを載せる事が出来ます。 - プレーリーカードを持っている同士の名刺交換であれば、自動的に名簿に登録されます。
これだけ見ると、普通のデジタル名刺と変わらない気もしますが、全然違います。
どこが違うのかというと最大の違いは「NFCカード」を使っているところです。
これがある事によって何が違うのでしょうか。
デジタル名刺が利用されない理由は「名刺交換した感が無い」ところにあると私は考えています。
スマホ上にQRコードを出して、スマホで読み取る。そしてそのその名刺の内容を見ないまま、次の話に進む。
紙の名刺交換だったら、もう少し会話が生まれますよね。
本社の場所は〇〇なんですねーとか、営業をやられているですね、とか。
名刺管理アプリのデジタル化は、紙のデジタル化には成功したが、名刺交換による体験価値が失われたという事になります。
さらに言えば「名刺自体のデジタル化には成功した」が「名刺交換のデジタル化には失敗した」という事です。
プレーリーカードは、名刺をデジタル化したのではなくて、名刺交換をデジタル化したんです。
NFCカードを出して、スマホで読み取ってもらう、そのような「渡した感」が必要で、それをデジタルで実現したサービスです。
さらに言えば、名刺交換を目的としおらず、名刺交換を手段としたコミュニケーションを重視しています。
そんなサービスデザインだからこそ、急激に利用者数が増えています。
(2023年9月時点の情報)
スタジオプレーリー社のミッションは、
<ミッション>
かざすだけのデジタル名刺で
新しい出会いの文化をつくる個人がいくつも肩書きを持ち、
SNSや複数のコミュニティで自由に活動する現代。
繋がりかたは多様化しています。「プレーリーカード」で、従来の名刺の役割をアップデートする。
肩書にとらわれない個人のさまざまな側面を伝えることで、
「はじめまして」のコミュニケーションを豊かにします。世界一の名刺消費国と言われる日本から、
「出会いのイノベーション」を起こし、一人ひとりが輝く社会を目指します。
です。
ミッションに書かれている通り、デジタル名刺は手段であって、新しい出会いの文化形成が目的。
自分達の大切にしたい想いを体現した素敵なサービスです。(そして、もちろん環境に優しい)
投稿者プロフィール
- 外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。
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