修理する権利って
皆さんは「修理する権利」っていう言葉を聞いた事がありますか?
「修理する権利」の指令を発効するという事は、裏を返せば、現在「修理する権利が奪われた状態」であるわけです。
例えば、こんなケースです。
(両方とも私の実例です)
① 洗濯機が故障した時
例えば、乾燥機付き洗濯機を長年使っていると、段々と乾燥力が弱まってきて、最後には乾燥が出来る状態になります。「故障した」と思って、カスタマーサービスに連絡すると、エンジニアが来てくれます。
そして、洗濯機を分解しながら、中身をチェックし、こんな話をされます。
こう言われると「確かに少し出費が増えるけど新品買った方お得だよなー」となります。
しかしよくよく考えると「修理・交換をするのに10万円もする設計をした事」自体がおかしい事に気付きます。これをユーザから見ると「修理する権利を奪われている」という状態になります。
② デジタル一眼レフカメラが故障した時
デジタル一眼レフカメラも大事に使えばいつまでも使えます。でも、もちろんモノなのでいつかは故障します。
私の場合、10年ほど前のモノだったのですが、電源をつけると、充電が満タンにも関わらず、2,3分で「電池がありません」の表示が出る症状が起きました。
そのカメラを持って、修理センターに行って、見てもらったのですが、言われたのはこんな感じです。
これも同じように理論上修理できるはずなのに、メーカー都合で「修理ができない(=修理する権利が奪われた状態)」となっています。
EUで起きている事
EUでは「修理する権利」に関する指令が発行されました。
EU加盟国は、2026年7月31日から国内法として適用する必要があります。
このような流れは、「メーカー都合で修理できない状況を無くす」、つまり「ユーザ側が修理の権利を得る」という流れが、まもなく日本でも起きる事になると予想されます。
投稿者プロフィール
- 外資系大手コンサルティングファームにて経営・IT・業務に関するコンサルティングを行い、生命保険会社にて経営企画部長を従事、Fintechベンチャー起業・経営を経て、「サステナビリティを1歩でも前進させたい」というパーパスを具現化すべくCircular Economy Thinking合同会社を起業。これまで培った経営コンサルティング経験、起業経験・経営経験を活かし、Circular Economy実践の為の活動を行っている。他にもCXコンサルティングやエグゼクティブコーチングも行う。
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